大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)1100 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人竜前茂三郎、同竜前弘夫の上告理由第一点について。

原審は、挙示の証拠により、上告人が訴外Dを代理人として判示一五六坪三合の

宅地の売却ならびに判示紛争の解決に関する一切の権限を委任し、右訴外人は上告

人の代理人として訴外Eとの間に判示のような契約を締結した事実を認定判示した

ものであること明白である。所論は原判決を正解しないでこれを攻撃するにすぎず、

採用できない。

同第二点について。

原審は上告人の代理人たるDとE間に成立した契約をもつて、第三者たる被上告

人Bのためにする契約とみたわけではないから、これを第三者のためにする契約で

あると解したうえで原判決の法令違背ないし理由不備をいう所論は、その前提を欠

くものであり、採用できない。

同第三点について。

原審の確定したところによれば、上告人とE間の判示一五六坪三合の宅地売買契

約が解除されたのに、Eが右土地を上告人に返還せず、右土地の一部である本件土

地を地上の本件建物とともに被上告人Bに売り渡したことから争いが生じ、これを

解決するため、上告人の代理人DとEとの間に、(1)上告人はEが本件土地を被

上告人Bに譲渡したことを承認し、その返還を請求しないこと、(2)Eは残地一

一六坪余を上告人に返還すること、(3)上告人は右返還の代償として四万五、〇

〇〇円をEに支払うこととの契約が成立し、金員支払、土地返還の約定は履行され

たというのであり、これによれば、原審は、上告人が代理人Dを介し、直接被上告

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人Bに対して本件土地の所有権移転登記手続をすることをも黙示的に承諾したこと

を判示した趣旨と解せられ、該判断は是認しえられなくはない。右と異なる所見の

もとに原判決を非難する論旨は採用できない。よつて、民訴三九六条、三八四条、

九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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